バーミンガム・シティ大学との共同授業参加者募集
学術交流協定校である、イギリスのバーミンガム・シティ大学(BCU)と共同授業を実施いたします。現在参加者募集中です。
参加希望者はページ下部のフォームよりお申込みください。
国際共同授業で探る感性「天然顔料」「天然染料」「音」「色彩」
美術と工芸「素材・色・音」から ―S D G s時代の共通の感性―
Arts and Crafts from ’materials, colours and sounds’ - a common sensibility in the SDGs era
【協定校】 バーミンガム・シティ大学(イギリス)/ バンコク大学(タイ)
授業日程
日程 |
協定校 | 開始時間 |
---|---|---|
11月6日(木) | 女子美 × BCU 1回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
11月13日(木) | 女子美 × BCU 2回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
12月18日(木) |
女子美 × BCU 3回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
講義時間: 120分(講義30分(通訳15分含む)×3回、 質疑応答30分(通訳15分含む))
講義形態: Google Meetでのオンライン授業
講義言語: 日本語・英語通訳
授業内容
1回の講義で、女子美の教員2~3名、B C U教員1名による講義を行います。
女子美、より、各校20名程度の学生が参加予定です。(バンコク大学の学生、先生方も聴講予定です)
授業講師
橋本弘安先生(女子美術大学名誉教授・染織文化資源研究所客員研究員)
日髙杏子先生(女子美術大学教授、芸樹湯学部教養・共通専門研究室)
サイモン・コスグローブ先生(女子美術大学准教授、芸術学部教養・共通専門研究室)
宮島弘道先生(女子美術大学教授、日本画専攻)
荒姿寿先生(女子美術大学准教授、工芸専攻)
ゾイ・ヒルヤード先生(バーミンガムシティ大学教授)
講義テーマ |
担当教員 | 講義内容 | |
---|---|---|---|
1回目 |
「天然岩絵具と地球の歴史、人類の歴史と実技体験」 |
橋本弘安先生 | 講義・実技体験 |
「色彩学の基礎:色の三属性とデジタル・物体色」 | 日髙杏子先生 | 講義 | |
「布を染める」 |
荒姿寿先生 | 講義 | |
2回目 |
「音と色」 |
サイモン・コスグロー ブ先生 |
講義 |
「天然顔料と日本画」 | 宮島弘道先生 | 講義 | |
「色彩、ファッション、そして季節」 |
ゾイ・ヒルヤード先生 | 講義 | |
3回目 | 女子美×B C Uのプレゼンテーション | 協定校含む教員全員 | 講評・ディスカッション |
参加者募集について
定員: 先着20名(参加学年、専攻は問いません。)
締切: 10月20日(月)※定員に達し次第締め切ります。
参加条件:
・各回の講義後、チャットやミニレポートでの感想提出をしていただきます。
・2回の講義を受けて、小作品制作、リサーチなどフィードバックの時間を数週間取ります。作品画像、考察分を12月
10日頃までに提出いただきます。3回目の合同授業で両校の作品データを共有しながら発表していただきます。
(参加決定後に参加者に授業で使用する制作キットと資料を配布します。)
応募方法
以下のGoogle Formよりお申込みください。
講義要旨
橋本 弘安(女子美術大学名誉教授、染織文化資源研究所客員研究員)
「天然岩絵具と地球の歴史、人類の歴史と実技体験」
Natural Pigments, History of Earth, History of Mankind, and Practicalというテーマで日本画の画材として大切に使われてきた「天然顔料」について様々な角度から考察します。細かい砂から現代の先端的粉砕技術により作り出されるサブミクロン・ナノ粒子で染織や陶器での利用には絵画だけでない表現の広がりがあります。私は世界につながる「天然顔料ルネサンス」だと思っています。素朴な方法での実技体験で、あなたの身近な思い出を絵具にしましょう。
日髙杏子 (女子美術大学教授)
「色彩学の基礎:色の三属性とデジタル・物体色」
色彩は、科学と芸術が重なりあう、私たちの視覚体験の中心です。この講義では、色を表す3つの基本要素:「三属性」の色相(Hue)、明度(Lightness)、彩度(Saturation)を振り返ります。色の3つの要素のなりたち、ものの見方にどのように影響しているかを学び、デジタルで色を表す方法(RGB、HSB、Labなど)と、絵の具や染料などの物質的な色を表す方法の違いを比べます。色を「見る」「伝える」ための方法を身につけましょう。
荒 姿寿 (女子美術大学准教授、染織文化資源研究所研究員)
「布を染める」
私たちは、古来より植物の繊維や動物の毛から糸を紡ぎ、手仕事によって布を織り日々の暮らしを彩ってきました。そしてその布を植物や鉱物、岩石で染め、模様を描く技や表現が豊かに現代まで繋がっています。この講義では、友禅染や、紅型などを例に、古来より日本の染色品で使用されてきた天然染料や天然顔料の魅力や色の背景にある物語ついてお話しします。また、女子美術大学染織文化資源研究所で取り組んでいるサブミクロン・ナノ領域粒子顔料研究について染色作品を中心にご紹介します。
サイモン・コスグローブ(女子美術大学准教授)
「音と色」
楽器や声について表現するときに「音色」という言葉を使うのは偶然でしょうか。音と色には切っても切れない関係があり、音も色も特定の感情を引き出す力を持っています。この講義では、ピタゴラスの発見からスクリャービンの共感覚の探求や他の現代作曲家のアプローチまで、音と色の関係をたどります。天然素材から楽器を作る世界中の例もいくつか紹介します。講義の最後に、様々な音階、音色、テクスチャー等に感じられる内容について参加者のみなさんと話し合う時間を作りたいと思います。
宮島 弘道(女子美術大学教授、染織文化資源研究所研究員)
「天然顔料と日本画」
日本の美術大学において日本画学科、日本画専攻を置く大学は10校を優に超え、毎年200名以上の日本画を学んだ学生を輩出しています。日本画教育は美術系高校でも積極的に行われるようになり、現在では中国においても広く重彩画や岩彩画として認知されるまでになりました。そんな日本画の成り立ちから日本画の現状を見つめ、作家の視点から日本画の魅力をお話します。
—日本画とはなんなのか—この疑問の答えを探し続けた私の作品を通して、今後の絵画表現の展開を考える糸口となることを願います。
ゾイ・ヒルヤード(バーミンガム・シティ大学教授)
「色彩、ファッション、そして季節」
テキスタイルデザインの分野で持続可能な取り組みが進む中、私たちと衣服との関わりがどのように変化しているのかを考察します。