バーミンガム・シティ大学との共同授業参加者募集
学術交流協定校である、イギリスのバーミンガム・シティ大学(BCU)と共同授業を実施いたします。現在参加者募集中です。
参加希望者はページ下部のフォームよりお申込みください。
美術と工芸「素材・色・音」から ―S D G s時代の共通の感性―
Arts and Crafts from 'materials, colours and sounds' - a common sensibility in the SDGs era
協定校: バーミンガム・シティ大学(イギリス)
授業日程
日程 |
協定校 | 開始時間 |
---|---|---|
1月9日(木) | 女子美 × BCU 1回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
1月20日(月) | 女子美 × BCU 2回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
2月12日(水) |
女子美 × BCU 3回目 |
18時45分開始(イギリス時間9時45分)〜21時終了予定 |
講義時間: 120分(講義30分(通訳15分含む)×3回、 質疑応答30分(通訳15分含む))
講義形態: Google Meetでのオンライン授業
講義言語: 日本語・英語通訳
授業内容
1回の講義で、女子美の教員2~3名、B C U教員1名による講義を行います。
女子美、B C Uより、各校20名程度の学生が参加予定です。
講義テーマ |
担当教員 | 講義内容 | |
---|---|---|---|
1回目 |
「暮らしに自然を取り込みましょう」 |
橋本弘安先生 | 講義・実技体験 |
「天然顔料と日本画の関係」 | 宮島弘道先生 | 講義 | |
「音と色」 |
サイモン・コスグローブ先生 | 講義 | |
2回目 |
「Natural pigments-Textiles, Ceramics and Glass-」 |
荒姿寿先生 | 講義 |
「素材のもつ色の美しさ ―その文化心理学的考察ー」 | 坂田勝亮先生 | 講義 | |
「Colour, Craft and Circularity」 |
ゾイ・ヒルヤード先生 | 講義 | |
3回目 | 女子美×B C Uのプレゼンテーション | 協定校含む教員全員 | 講評・ディスカッション |
参加者募集について
参加を希望される方は、以下の申込フォームよりお申し込みください。
定員: 先着20名(参加学年、専攻は問いません。)
締切:12月23日(月)※定員に達し次第締め切ります。
参加条件:
・各回の講義後、チャットやミニレポートでの感想提出をしていただきます。
・2回の講義を受けて、小作品制作、リサーチなどフィードバックの時間を2週間程度取ります。作品画像、コメントを2月上旬までに提出いただきます。3回目の合同授業で両校の作品データを共有します。
参加決定後に参加者に授業で使用する制作キットと資料を配布します。
制作キットは3回の授業終了後に返却していただきます。
講義要旨
橋本 弘安(女子美術大学名誉教授、染織文化資源研究所客員研究員)
暮らしに自然を取り込みましょう
2016年から継続して実施している国際共同授業やSNSなどのやりとりを通して、「色」について地球規模での魅力が見えてきました。
物理的な方法だけで作られた色が暮らしの中にどれだけあるでしょうか?
普段、みなさんは色の物質について考えますか?
下の布は、物理的な方法だけで作られた色で染まっています。
講義では実技的な方法も取り入れながら、お話しします。
宮島 弘道(女子美術大学教授、染織文化資源研究所研究員)
天然顔料と日本画
日本の美術大学において日本画学科、日本画専攻を置く大学は10校を優に超え、毎年200名以上の日本画を学んだ学生を輩出しています。日本画教育は美術系高校でも積極的に行われるようになり、現在では中国においても広く重彩画や岩彩画として認知されるまでになりました。そんな日本画の成り立ちから日本画の現状を見つめ、作家の視点から日本画の魅力をお話します。
—日本画とはなんなのか—この疑問の答えを探し続けた私の作品を通して、今後の絵画表現の展開を考える糸口となることを願います。
サイモン・コスグローブ(女子美術大学助教)
音と色
楽器や声について表現するときに「音色」という言葉を使うのは偶然でしょうか。音と色には切っても切れない関係があり、音も色も特定の感情を引き出す力を持っています。この講義では、ピタゴラスの発見からスクリャービンの共感覚の探求や他の現代作曲家のアプローチまで、音と色の関係をたどります。天然素材から楽器を作る世界中の例もいくつか紹介します。講義の最後に、様々な楽曲と色を合わせるアクティビティを行い、結果のデータを後日発表します。
荒 姿寿 (女子美術大学准教授、染織文化資源研究所研究員)
Natural pigments-Textiles, Ceramics and Glass-
女子美術大学では染織文化資源研究所の研究の一環で、2016年より岩石・鉱物などの天然物、無機顔料を用いて、サブミクロン・ナノ粒子に粉砕し、その色料を用いた創作研究を行っています。本研究は、本学日本画研究室の長年の天然顔料の研究をもとに、最新のナノ化技術を応用した本学独自の研究です。新しいテクノロジーを用いて作成した顔料を日本画、工芸・プロダクトデザインなど、幅広い分野へ展開することを試みています。私からは、染の学生との取り組み、陶、ガラス分野の作家の取り組みについてお話しいたします。
坂田 勝亮(女子美術大学元教授)
素材のもつ色の美しさ ―その文化心理学的考察―
我々人類は地域や集団ごとに文化を築き、それぞれが特色ある活動を現在にまで受け継いでいます。色を使うこともその一つであり,世界中の人々が色を使って表現をしたり伝達をしたりしています。地球上には、人間以外に色を使って表現したり伝達したりする動物はみられません。生活習慣も言葉も異なる地域や集団の人々がみな同様に色を使っているというのは偶然なのでしょうか?地域や集団によって、色の感じ方は異なるのでしょうか? 赤とRedは同じ色なのでしょうか?
この講義では色と人類とのかかわりについて、色と言語との関係に焦点を当てて考えていきたいと思います。
ゾイ・ヒルヤード(バーミンガム・シティ大学教授、テキスタイルデザインコースリーダー)
Colour, Craft and Circularity
アーティストやデザイナーは、作品制作の新しい方法を試行錯誤しており、使用する素材、取り組むプロセス、周囲の文化的・環境的景観との関連における作品の遺産について、より全体的な視点を持っています。 BCUでは、学生の学位論文のテーマや、彼らが取り組む創造的なプロジェクトに、このような傾向が見られます。 自然の色の美しさが再発見され、その繊細さと変化のしやすさが受け入れられています。 それは、私たちがこれまで育ってきた色への期待に挑戦するものであり、私たちが季節や地元とより密接につながることを助けると同時に、新しい美学を徐々に確立しつつあります。
この講義では、個人的な実践をもとに、地球をより軽やかに踏みしめる方法を模索し、進化する作品群をたどります。
天然岩絵具作成キットの紹介
天然岩絵具作成キットは女子美術大学が企画監修を行なっています。
購入希望者は割引価格での購入が可能です。(学生のみ)
販売価格
基本セット(ダイヤモンド砥石付き):定価3,300円 → 2,500円(税込)
簡易セット(ダイヤモンド砥石なし):定価1,500円 → 1,200円(税込)
相模原キャンパスはイワタ売店、杉並キャンパスはアイシス事務所(1号館1F)にて販売しております。